最近は、ニュース等を見ていると、事故などが起こるたびに「安全・安心のために」という言葉が良く出てきます。しかし、県北の市街地にある老朽化した東海第二原子力発電所が、今後、再稼働するようなことがあれば、我々にはさらに約20年の間、安心も安全もありません。
原子炉を運転していない現在でさえも、原子炉から取り出した大量の使用済み核燃料が、プールの水中に保管されています。もし水の冷却が止まれば、発熱によって水が蒸発し、燃料が破損して放射性物質が環境中へ大量に放出される危険が今でもあります。テレビでは、小さな地震が発生しても、原発に異常がないかどうかが速報されますが、これは良く考えるとかなり異常なことです。
日本原子力発電(株)は、現在、東海第二の運転再開に必要な工事を日夜進めており、力づくで再開しようとしています。また、原子炉メーカは、海外における原子力発電所の受注を断念しましたので、東海第二の再開をさらに支援するでしょう。また、自民党、公明党及び国民民主党(県民フォーラム)は、選挙で特定の企業から組織的な支援を受けるために、原子力を推進しています。さらに、立地自治体は、税収とさまざまな便宜を今後とも確保するために、事業者を支援しています。つまり、お互いに持たれ合う形です。
結局、事故の不安を抱えながら生活し、しかも、ひとたび事故が起これば必ず被害を受ける多くの一般市民は、完全に蚊帳の外に置かれています。時々、推進側から都合のいい説明を一方的に受けるだけです。
一般の市民は自らの意思が社会的に認知される機会がどこにもありません。これでは、我々はまるで占領民です。
私は原子力を推進する側で仕事をしてきましたが、福島第一事故の後、発想が全く変わりました。一人でも多くの市民が、こうした状況を把握できるように情報を提供しなければならないという思いから、敢えてこうした記事を書くことにしました。
今後、ひとり一人の市民が、少なくとも原発事故に対する不安のない、普通の日常を取り戻すために、選挙投票によって自らの意思を表明し、余りにもひどい現在の状況を変える必要があると思います。
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