転換期にある東海村の原子力と「歴史と未来の交流館」の活用

2021/01/09

原子力 東海再処理 東海第二原発

東海村は、現在、東海第二原発1や、大量の高レベル放射性廃液を貯蔵した状態で廃止措置を進めている東海再処理施設について、長期的な安全確保が非常に大きな問題となっており、また、村内には老朽化した施設がたくさんあるなど、多くの課題に直面しており、非常に重要な時期に差しかかっています。

 

東海村では、昨年12月に東海第二原発の問題を議論するため、第1回目の「自分ごと化会議」を開催しています。山田村長は、この会議の狙いについて、「自分たちにできることから考える」として、「参加者が平等に安心して意見を言い合える場があるのは、今までにないこと。原子力という話しづらかったテーマで、やる価値はある」2と述べていますが、その状況を見ると、こうした数回のイベントでは、現状を把握するだけでも簡単ではありません。やはり、住民が主体となった取り組みが必要ではないかと思います。

 

そこで一つ提案したいと思います。東海村では、村民が文化財を継承しながら歴史に学び、現在を考える生涯学習の拠点として、「歴史と未来の交流館」を建設しており、7月には開館する予定です。

村民の皆さんがこの交流館を活用し、東海村の原子力について、自由な発想でじっくり現状と課題を把握して、これから100年後の東海村のあるべき姿を検討し、議論されては如何でしょうか。

図 「歴史と未来の交流館」を活用して、東海村の将来像を考える

 

1 東海第二原子炉は、その電気出力が110kWe1100 MWe)と非常に大きい設備です。これに対して、例えばJRR-3研究炉は、わずか約7 MWeなので約160倍も規模が違う。

2 20201210 0740分 東京新聞(Web)

 

関連資料

・バックエンドロードマップ(20181226日)国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、https://www.jaea.go.jp/about_JAEA/backend_roadmap/

・「バックエンドロードマップ」について(平成31328日)国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、https://www.jaea.go.jp/about_JAEA/advisory/3-no04/s4-4.pdf

・『(仮称)歴史と未来の交流館整備基本計画』、東海村、https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/kosodate_kyoiku/shogaigakushu/2808.html